レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2023 第2戦 富士スピードウェイ 13号車
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マシン #13 ENDLESS GR YARIS
Aドライバー/花里 祐弥
Bドライバー/石坂 瑞基
Cドライバー/伊東 黎明
Dドライバー/岡田 整
監督 / 渡海 正雄

ST-2クラス参戦2年目のGRヤリス。Aドライバーに社員ドライバーの花里 祐弥を据え、若手ドライバーの石坂 瑞基、伊東 黎明、岡田 整の4人体制と開幕戦から変わらぬメンバーで24時間耐久レースに挑んだ。

開幕戦では見事2位表彰台を獲得したが、シリーズチャンピオンを見据えて富士24時間では表彰台の頂点に立つことを目指す。そのためサスペンションにも変更を加え、セッティングを煮詰めてレースに臨んだ。

予選
A 花里 祐弥 1'53.562 クラス2番手
B 石坂 瑞基 1'53.015 クラス2番手
C 伊東 黎明 1'55.793 クラス2番手
D 岡田 整 1'56.543 クラス3番手
→A+Bドライバー合算による予選結果2位

26日金曜日午後から開始された予選はドライコンディションで走行。ハンコックタイヤの工場火災による影響で、ST-2クラスのタイヤはハンコック製スリックから、ブリヂストン製スリックタイヤに変更。

グリップやフィーリングの違いは、練習走行でサスペンションセッティングを変更することでアジャスト。ブリヂストンタイヤのグリップの高さと耐摩耗性の高さを確認できた。セッティング変更により好フィーリングを得られたことで、Aドライバー花里とBドライバー石坂のタイムを合算して競われる予選では見事2位を獲得。Cドライバー伊東、Dドライバー岡田もそれぞれマシンチェックも兼ねた予選走行を無事こなし、翌日の決勝に向け準備を進めた。

決勝

決勝は27日土曜日15時、Aドライバーの花里からスタート。しかし開始早々15時4分に花里がピットイン。これは、現在の規定ではAドライバーにジェントルマンドライバーを起用することとなっており、主催者から花里がプロドライバー認定されたことによって課せられたハンディキャップの消化のため。ただ前回Rd.1鈴鹿ではこのハンディキャップがピットストップ90秒であったが、今回はレース時間が長いことからピットストップ10分と非常に重いものとなった。

このハンディキャップ消化により、スタートの2位からクラス最下位となる5位まで落ちるが、その後花里は1分55秒台の好タイムで周回し遅れを取り戻す。決勝想定周回数は650~680周のため、計算上は1周1秒ずつ縮めれば600秒のハンディキャップを跳ね返せる。裏を返せば、序盤からハイペースで追い上げていく必要があった。

順調にバトンをつなぎ、レース開始から9時間経過後の午前0時すぎに入ったFCYとセーフティカーに合わせて10分間のメンテナンスタイムを実施。ブレーキパッドとローターを交換して順調に走行に戻る。予定では12~14時間経過後にメンテナンスタイムを消化予定だったが、セーフティカー導入に合わせて実施することで、ロスタイムを最小限に留める作戦を取った。

18時間経過した朝9時の時点で、トップの#225 KTMS GR YARISまで4周の差に迫る。すると#13がハイペースで走行を続ける中、#225にトラブルが発生しペースダウン。ついに4周の差を追いつき、午前11時30分花里がドライブ中にクラストップに立つ。

そこからは安定したペースで、2番手の#6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10を引き離す。最終ドライバーの石坂も安定したハイペースで周回を重ね、1周約1秒のペースで後続を引き離すことに成功。最終的に2周の差をつけて見事優勝を果たした。

ENDLESS GR YARISは昨年のもてぎ以来の優勝となり、富士24時間レースは初優勝となった。昨年は速さを見せるもトラブルに泣き、富士24時間レースをはじめ勝利を逃していた。今シーズンの目標であるシリーズチャンピオンに向けて、大量ポイントの獲得そしてチームやドライバーに自信をもたらす勝利となった。

Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバー・監督コメント
●Aドライバー 花里 祐弥

今回は変則的にタイヤが変わりましたが、ブレーキパッドやブレーキダクトなど周辺セッティングによる合わせ込みをして、理想的な温度にすることで安定した効きが得られました。それによってコンスタントペースのアップに繋がりました。先代の花里功会長が欲していた富士24時間優勝が達成できてすごく嬉しいです。

●Bドライバー 石坂 瑞基石坂 瑞基

昨年は勝つことができませんでしたが、今年はチームみんなノーミスでバトンを繋ぐことで勝つことができました。シリーズランキングもいい位置にいますし、次戦に向けてブリヂストンタイヤへの理解を深めて、次のレースも勝ちたいと思います。

●Cドライバー 伊東 黎明

夜の1スティント目にタイヤカスを拾ってABSセンサーにトラブルが起きてしまいましたが、そういったトラブルもチームで乗り越えることで勝つことができました。昨年のリベンジができて本当に良かったです。次戦SUGOもこの勢いで勝ちたいと思います。

●Dドライバー 岡田 整

2回目となる24時間レースでしたが、今年は夜を中心にしっかりと任せていただきドライバーとしてすごく嬉しい思いがありましたし、チームに貢献できてよかったです。また花里選手の誕生日に勝つことができてよかったです。クルマもバランス良く、特にブレーキの安心感は絶大なものでした。

●監督 渡海 正雄

今回は運も味方してくれて、優勝できてホッとしています。しかし、速さでは負けていた部分があります。これは反省してやり直さないといけない部分でもあります。開幕戦から今回までテストもできなかったので、次戦SUGOに目掛けてテストして、さらに完成度を高めていきたいです。応援ありがとうございました。