レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2023 第3戦 スポーツランドSUGO 3号車
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マシン #3 ENDLESS GR86
Aドライバー/坂 裕之
Bドライバー/小河 諒
Cドライバー/菅波 冬悟
監督 / 荻野 悟

前戦富士24時間耐久レースでは2位を快走したがミッショントラブルによって後退。その後、エンジン制御系のマイナートラブルにも見舞われるがレース中に原因を特定。修復後は5時間以上もトップクラスのタイムで周回を重ねた。細かいトラブルを乗り越えてきたGR86のタフなレースに期待したい。

予選
A 坂 裕之 1’34.745 クラス1番手
B 小河 諒 1’33.670 クラス1番手
C 菅波 冬悟 1’35.235 クラス3番手
→A+Bドライバー合算による予選結果1位

7月8日13時45分から開始された予選。午前中のフリー走行は土砂降りのレインコンディションだったが、午後の予選はドライコンディションで予選開始となった。他のマシンに詰まりつつも、坂は大きく差をつけてトップタイムをマーク。小河もトップタイムを出し、ポールポジションを獲得。決勝に向けて最高の予選結果となった。

決勝
8時42分、3時間耐久レースがスタート。ポールポジションからスタートしトップを順調に走行。#86 TOM'S SPIRIT GR86がハイペースで追い上げてくるも、小河は懸命な走りで順位を守り切る。#3は25周目にピットイン、ドライバーは小河から坂へ交代。タイヤ交換を行わず給油のみにしたことで最小限のピットストップに留めることが出来た。

坂はコース復帰し実質2位を走行。しかしスタートから50分ほど経過するタイミングで時折雨がパラつくコンディションに。だが、前戦からST-4クラスは溝有りラジアルタイヤのPOTENZA RE-12Dになったことで、土砂降りでなければタイヤを交換せずに走行可能。とはいえドライ路面と比べるとグリップが減るのは必須だ。スピンやコースオフに気を付けつつラップタイムを落とさずに周回を重ねていく。

63周目、坂から菅波にドライバーチェンジ。タイヤ交換と給油を行なうフルサービスのピットインで残りの勝負を菅波に託す。残すは約70分。トップの#86とは約1分20秒の差。1周1~2秒詰めるペースで走行し追い上げる。1周1.5秒詰めれば残り時間内で追いつく計算だ。

残り時間30分でトップとは29秒差。時間からすると残り周回は19周だ。残り20分で約20秒差まで迫る。緊迫の追い上げが続く。残り5分で約9秒差。残り3分で約6秒差。残り1分40秒で差は3秒4…。

そしてついに109周目に#86の背後まで迫る。しかしコントロールタワーではチェッカーフラッグが用意されはじめる。万事休すかと思われたが、背後に迫っていた総合トップの#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが#3の背後でチェッカー。これによりギリギリでチェッカーフラッグが掲示されず、もう1周のチャンスが生まれた。そして110周目、ついに#86をパスしてトップに浮上。菅波はそのまま逃げ切り優勝。ファイナルラップにトップに立つという劇的な展開で、今シーズン初優勝を飾った。またENDLESS SPORTSとしてもGR86にスイッチして初優勝と記念すべきレースになった。

Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバーコメント
●Aドライバー 坂 裕之

途中で雨が降ってきたりと難しいコンディションでしたが、優勝に少しでも貢献できてよかったです。クルマはすごく乗りやすかったです。途中で瞬間的にパワーダウンするアクシデントもありましたが、最小限のロスで切り抜けることができました。さらなるドライビングの課題も見えてきたのでまた次戦で頑張りたいと思います。今回は本当に小河選手、菅波選手の頑張りに助けられました。ありがとうございました。

●Bドライバー 小河 諒

今回やっと優勝することができましたが、課題は多く残るレースでした。ペースは良かったですが僕がコース外走行の注意を受けたこと。坂選手のスティント中のエンジントラブルとその対策。レース中盤以降のエンジンパワーが落ちる感じ。ピット作業をもう少し余裕を持ちたいなど、まだまだ直せるポイントが見つかりました。また今回スプリングにX COILS PLUSをレースでは初めて使ったのですが、すごく良いポイントを探すことができ、Functionサスペンションの新たなセッティングも見つけることができました。

●Cドライバー 菅波 冬悟

今回最終バッターで走り、1時間以上走行しました。トップとのギャップをいかに詰めるかというレースで、フルプッシュの結果追いつけて勝つことができました。前戦に比べてクルマ自体が速さを持っているので、作戦通りに走れば優勝できるポテンシャルを持つレベルまで来たと思います。それが今回の収穫だと思います。急に気温が高くなり晴れてきたこともあり、非常に暑くて体力的に厳しい展開でしたが勝つことができて良かったです。

●監督 荻野 悟

3戦目にしてやっと作戦通りにレースを進めることができました。ドライバーの仕事もクルマも順調に走行し、ポールポジションから勝つことができました。あそこまで劇的な展開の予定ではありませんでしたが。最後に追い上げるのも予定通りの展開でした。次戦はクルマもドライバーも暑さ対策と、ピット作業をさらに短縮させるなど、ブラッシュアップしたい部分がいろいろとあります。それらを改善して次回も勝ちたいと思います。