決勝結果:クラス3位
決勝レースは11時05分にスタート。5時間の耐久レースが始まった。スタートドライバーは坂。レース序盤でAドライバーの最低乗車時間を消化し、その後は菅波、小河、菅波と繋いでいく作戦。
坂はスタートから#66に続いて順調に走行。一方エースドライバーの冨林選手がステアリングを握る最後尾スタートの#41も、グイグイと順位を上げて3番手に浮上。その後ろに#884が続く。速さのある#41の猛追を坂が抑えきれば、菅波、小河のプロドライバーが続く#3 ENDLESS GR86に勝機が見えてくる。しかし坂の奮闘むなしく12周目まで抑え込むも、#41にパスされ3位へ。
スタートから約45分が経過したところでシケインにてクラッシュが発生。車両回収のため長めのFCYが導入される。#3 ENDLESS GR86は変わらず3位でレース再開となったが、直後にデグナーコーナー2個目でコースアウト車両が発生し再びFCYが導入。
すると26周目、再びコースアウト車両が発生。レースはスタートから1時間が経過、Aドライバーの最低乗車時間が消化済みのため、坂から菅波へドライバー交代を行うタイミングだ。加えてコースアウト車両発生によりFCYの導入が推測される状況。FCY導入前にピットインを行えれば、FCY中にピット作業を行うことでピットでのロスタイムを減らすことができる。
しかしながらFCYが導入されてしまうとピットインは禁止となってしまい、ペナルティの対象になってしまう。坂がピットロード入口に入ったタイミングで、FCYによりピット入口が赤信号になった。微妙なタイミングだったが、信号が赤に変わった時点でコースに戻ることはできない。そのままピットインを行い、ドライバーは坂から菅波に交代した。タイヤ4本交換と給油3本のフルサービスを実施してコースに復帰する。ピットイン時の処遇について不安は残るも、裁定が出るまではライバルたちとの戦いに集中する。
38周目、コース上のデブリ回収のためこのレース5回目のFCYが導入。スタートから約2時間経過し、トップの#66ロードスターはまだピットインしていない。#3 ENDLESS GR86は2位につけており、ピット回数を考えると実質トップ。後続の#41はピットインを終えて4位を走行。2時間半を迎えた時点では、#66がピットインしたことで#3 ENDLESS GR86がトップを走行。2位を約1分離す快走で菅波が順調に周回を重ねる。
しかしスタートから2時間40分を迎えたところで、#3 ENDLESS GR86にペナルティストップ60秒の裁定が下ってしまう。1回目のピットインがFCYによるピットクローズ中と判定されてしまい、重いペナルティを課せられることとなった。
59周目ペナルティストップ消化のためにピットイン。その直後の62周目にルーティンのピットインを行い、ドライバーを菅波から小河に交代。フルサービスでコースに復帰。ペナルティストップが大きく響き、順位は4番手に転落してしまう。しかし残り時間は約2時間、追い上げには十分な時間が残されている。小河は無難に走行を続けて3位に浮上。2位の#66も射程圏内に捉える。
93周目ピットイン。ドライバーは小河から再び菅波に交代。給油は3本の予定のところを2本で行けると判断。4輪交換を行ったフレッシュなタイヤと少しでも軽くなったマシンで追い上げていく。給油量の削減はピット時間の節約と引き換えにガス欠や追加のピットインの可能性もある作戦だが、巻き返しを図るべくリスクを取る。
3位の#41との差は14秒。トップ#884はまだ1回ピットを残していて、#3 ENDLESS GR86の1分16秒前を走行。#884がコースに復帰してきた時の位置関係が注目だ。
102周目#884がピットイン。1本給油とリアタイヤ2本交換を行うと2位でコース復帰した。最低ピット滞在時間が定められている2本給油を行った#3 ENDLESS GR86と異なり、すぐにピットアウトできる1本給油を行ったことで上位に浮上した。FCY導入が多かったことでガソリン消費量が少なかったことと燃費走行により実行したようだが、よりハイリスクな作戦で勝負を仕掛けてきた。これで1位#66、2位#884、3位#41、4位#3 ENDLESS GR86となった。
ところがこれで万事休すと思われた残り時間20分のタイミングで、#884にFCY中の追い越しによるドライブスルーペナルティの裁定が下された。#884は残り4分のタイミングでペナルティを消化すると#3 ENDLESS GR86は3位に浮上。そのままチェッカーとなり3レース連続の3位表彰台となった。
鈴鹿で圧勝した#66は驚異的な燃費とペースの速さを、#41はスピード、#884はストラテジーと、鈴鹿でのST-4クラスはさまざまな作戦と速さを持ったチームがそれぞれのアプローチを見せた。シリーズもますます混戦になってきており、シリーズポイントは1位#884:59ポイント、2位#41:52.5ポイント、3位#66 :42ポイント、4位#3 ENDLESS GR86:42ポイントと熾烈な上位争いが続く。
次戦は大一番の富士24時間レース。#3 ENDLESS GR86として昨年の3位が最高位だが、ENDLESSの誇る「開発力」を武器に、今年は悲願の24時間レース初優勝を果たしてシリーズポイント大量獲得を目指す。
【FCY導入】
1回目 11:44'23(18Laps)~11:55'53(20Laps)
2回目 12:03'26(24Laps)~12:07'33(24Laps)
3回目 12:09'11(25Laps)~12:13'06(26Laps)
4回目 12:20'57(29Laps)~12:29'54(31Laps)
5回目 12:58'10(43Laps)~13:02'06(44Laps)
6回目 13:49'00(66Laps)~13:50'48(66Laps)
7回目 14:22'18(80Laps)~14:28'23(81Laps)
8回目 14:49'15(91Laps)~14:53'57(92Laps)
Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。
https://supertaikyu.com/