決勝結果:優勝
決勝レースは11時からスタート予定だったが、その直前から小雨が降り始めた。スリックタイヤで走行ができる路面状況ではあるが、空には雲がかかり風も強いコンディションでのスタートとなった。
スタートドライバーは菅波が担当。その後は坂がAドライバーの最低乗車時間75分を消化し小河へチェンジ。最後に再び菅波がドライブしゴールする予定だ。その菅波はスタート直後の1周目に#41 GR86をパスして2位に浮上。上々の滑り出しとなった菅波はトップの#66から約3秒後方で順調に走行を続ける。小雨も止み晴れ間も見え、コース上はドライコンディションのレースとなった。
展開が荒れやすいスタート直後はセーフティカー(SC)が導入されることがあり、展開に合わせて早々にピットインすることが考えられる。特に今回のような雨交じりの場合はアクシデントの発生率も上がる。そのため緊急ピットインに対応できるよう2番目に乗車予定だった坂に加え、マシンへの乗り込みが速い小河も待機していた。
しかし今回はSC導入などもなく、コース上もドライとなりレースは順調に進行。39周目に予定通り菅波から坂へ交代。タイヤは4本交換、給油は3本(60L)のフルサービスの作業を行った。コースへ2位で復帰すると、#66 ロードスターがピットインしたタイミングで逆転に成功した。坂はそのままトップで順調に走行。レース開始から約2時間経過時に再び小雨が降り始めるが、ウエット路面になるほどではなく、気温・路面温度ともに下がってきた。
その後坂は#66 ロードスターに抜き返されるも2位で走行。71周目でトップとは13秒7の差。このときにコース上ではクラッシュが発生してFCYが導入され、さらにSCが導入される。
73周目SC中にピットインして坂から小河に交代。ガソリンはここでフル給油。最後のピットインでは1本(20L)給油のクイックピットでピットイン時間を削減する戦略だ。
小河は気温が下がってきたこともあり、2分9秒台のラップを刻んでいく。トップを争っていた#66 ロードスターは10秒ピットストップのペナルティが課せられ後退。#3 ENDLESS GR86はトップでレース終盤を迎えることとなった。とはいえペースのある2位#884 GR86に加え、#66も再びハイペースで追い上げてくる。最終ピットインでタイヤを2本交換にするか、4本交換にするかがカギになる。
残り37分で2位の#884 GR86がピットイン。燃料1本(20L)とタイヤ4本交換でピットアウト。次の周の117周目、#3 ENDLESS GR86もピットイン。小河から菅波に交代し給油は1本(20L)、タイヤは4本交換と同じ戦略を採用。ピットでの順位変動は無く、菅波はトップでコースに復帰する。
2位の#884 GR86との差は22秒。このマージンを守りきれば優勝となる。問題なくこれまでのペースで走れば優勝できる計算だが、アクシデントがつきまとうのもレース。タイヤを4本交換できたことでタイヤトラブルが発生する可能性は最小限に抑えられたが、チェッカーを受けるまで油断できない。そんな中、菅波は順調に走行。2位以下との差を徐々に広げ、最終的には43秒の差をつけてゴール。見事クラス優勝を果たした。
ペースが速いライバルもいたが、ベストなタイミングでピット作業を行ったこと、ドライバー・メカニック含めたチーム全員がミスすることなくマシンを走らせることができたことが優勝の大きな要因となった。また、これまではレース中にペースの落ち幅が大きいこともあったが、今回のレースではスティント後半でも安定したペースで走ることが出来た。特に坂は燃費とタイヤをセーブしながらスティント後半で2分10秒台をキープして走行していた。坂自身のスキルはもちろん、サスペンションセッティングとMBRの活用が上手くできた証でもある。このようなデータや経験をマシン開発はもちろん、製品開発にフィードバックしていく。
シリーズランキングは1位の#884 シェイドレーシング GR86が128.50ポイント、2位 #41 エナジーハイドロゲン EXEDY GR86 Winmaxが102.50ポイント、そして#3 ENDLESS GR86は95.00ポイントで3位となった。
【FCY導入】
1回目 13:41'40(79Laps)~13:46'02(80Laps)
【SC導入】
1回目 13:46'02(80Laps)~13:59'56(84Laps)
Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。
https://supertaikyu.com/