レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2026 Empowered by BRIDGESTONE 13号車
第4戦 SUGOスーパー耐久4時間レース
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マシン #13 ENDLESS GRYARIS 参戦クラス ST-2クラス
Aドライバー/花里 祐弥
Bドライバー/石坂 瑞基
Cドライバー/伊東 黎明
Dドライバー/岡田 整
監督 / 斎藤 亮佑

<#13 ENDLESS GRYARIS>


第3戦富士24時間レースで優勝を飾り、大幅にポイントを積み重ねた#13 ENDLESS GRYARIS。後期型マシンへのスイッチ後初優勝を果たすとともに、シリーズランキングでも首位へ浮上した。昨年から高い速さを見せるシビック TYPE R勢に対し、安定したレースペースに加え、ミスのないドライビングとピットワークで互角の戦いを演じ、大きな勝利を手にした。

今大会では65kgのサクセスウエイトを搭載し、厳しい条件での戦いとなる。それでもアップダウンの激しいスポーツランドSUGOで着実にポイントを積み重ね、残る岡山国際サーキット、富士スピードウェイでの2戦に向けて、シリーズ争いを有利に進めたいところだ。

予選
A 花里 祐弥 1'36.720 クラス6番手

B 石坂 瑞基 1'36.631 クラス4番手

C 伊東 黎明 霧のため走行なし

D 岡田 整 霧のため走行なし

→予選結果:4位/9台中


7月5日(日)、午前8時から予定されていた予選は、雨と濃霧の影響により10分遅れで開始された。予選はBドライバーが先にタイムアタックを行い、ST-2クラス8台のうち上位4台がQ2A、下位4台がQ2Bへ進出。その後、Aドライバーが各グループでタイムアタックを行い、Q2AとQ2Bそれぞれで順位を決定する変則方式で実施された。ポールポジションを獲得するためには、まずBドライバー予選でQ2Aへ進出することが絶対条件となる。

予選開始時には小雨と濃霧の影響で路面は濡れていたものの、レインタイヤを使用するほどではなく、石坂はスリックタイヤでコースイン。クラス4番手タイムを記録し、Q2A進出を決めた。続くAドライバー予選では花里もスリックタイヤを選択し、クラス4番手タイムをマーク。決勝レースを4番手グリッドからスタートすることとなった。

なお、C・Dドライバー予選は濃霧の影響により走行がキャンセルとなった。通常であれば、この時間を利用して伊東と岡田が決勝を想定したマシンセットアップを確認する予定だったが、今回は十分な走行時間を確保できないまま決勝レースへ臨むこととなった。
決勝
決勝結果:優勝

7月5日(日)、スポーツランドSUGOは朝から曇天に包まれ、標高約250mに位置するサーキットでは時折霧が発生する不安定な天候となった。決勝前にはC・Dドライバー予選がキャンセルとなるほど濃霧に見舞われたが、決勝開始前には一時的に日も差し、路面はドライコンディションでレースを迎えることとなった。

12時58分、4時間耐久レースがスタート。気温は約20℃で、全車スリックタイヤを装着してのスタートとなった。#13 ENDLESS GRYARISは石坂がスタートを担当。4番手からレースを開始したが、オープニングラップで#6 新菱オートDXLネオグローブEVOXに先行を許し、5番手へ後退。それでも石坂は安定したペースで周回を重ね、10周目には再び4番手まで順位を戻した。

上位3台はいずれもシビック TYPE R勢で、#95 SPOON リジカラ CIVIC、#743 Honda R&D Challenge FL5、#72 OHLINS CIVIC NATSが先行する展開となった。ライバル勢が高いストレートスピードを武器にするなか、#13 ENDLESS GRYARISは最高速で約203km/hにとどまり、上位勢との差を縮めるには厳しい状況となってしまう。15周終了時点ではトップとの差が約15秒まで広がった。

レース開始から1時間が経過した40周目には、トップとの差は約23秒に。しかし、タイヤのグリップ低下に伴いペース差は徐々に縮まり、石坂は上位勢と遜色ないラップタイムで周回を重ねる。途中から小雨が降り始め、各車のペースは低下したものの、路面状況はスリックタイヤを継続できるコンディションだった。

50周目、約80分を走行したところで1回目のピットインを実施。石坂から花里へ交代し、フロントタイヤ2本を交換してコースへ復帰した。

52周目、2番手を走行していた花里は#743と接触。数秒のタイムロスに加え、順位を3番手へ落とすこととなった。この接触についてレースコントロールはレーシングアクシデントと判断し、両車へのペナルティは科されなかった。

しかし、この接触をきっかけに電動パワーステアリングにトラブルが発生。大きな入力によりフェイルセーフが作動したものとみられ、ステアリング操作が重い状態での走行を強いられることとなった。花里は苦しい状況ながら徐々にペースを回復し、1分33秒台で周回するまでに戻したが、#225 KTMS GR YARISに先行を許し4番手へ後退した。

一時はピットインして車両の電源リセットによる復旧も検討されたが、花里がペースを取り戻したことで、予定していたピットタイミングまで走行を継続する判断となった。

90周目に2回目のピットインを実施。花里から岡田へ交代し、タイヤ4本を交換した。花里によると、パワーステアリングが十分に機能しない状態では特にフレッシュタイヤ装着時のステアリング操作が非常に重く、ブレーキングやステアリング操作を慎重に行う必要があり、思うようなペースでの走行が難しい状況だったという。

岡田へ交代後は1分32秒台で安定した走行を披露。ピットイン時にエンジンを停止したことで電動パワーステアリングがリセットされ、症状は改善したものの、完全な復旧には至っていなかった。

103周目には岡田から伊東へ交代。タイヤ4本を交換し、義務ピット回数を消化。残り約75分の走行を伊東へ託した。岡田によると、パワーステアリングの症状は花里の走行時ほどではないものの、完全には解消されておらず、ステアリング操作によるタイヤへの負担も大きい状態だった。

コースへ復帰した時点で順位は4番手。しかし、上位3台はまだ最終ピットインを残しており、戦略によって順位が大きく変動する展開となった。

伊東は107周目に1分31秒744のクラストップタイムを記録し、猛烈な追い上げを開始。2位を走る#225との差は132周目には10秒まで縮まり、表彰台圏内へ浮上する。トップの#95は最終ピットを残していたものの、リードは約1周あり、最後のピット戦略が勝敗を左右する状況となった。

136周目には2位との差を6秒5まで縮め、さらに139周目にはトップの#95がピットイン。ドライバーチェンジのみでコースへ復帰し、終盤はトップの#95、2番手の#225、そして3番手の#13 ENDLESS GRYARISによるトップ争いとなった。

142周目、猛追する伊東は粘る#225をホームストレートから1コーナーで攻略し、2番手へ浮上。その後も1分32秒台のハイペースで周回を続け、残り10分時点でトップとの差は7秒まで縮まった。残り時間が少なくなるにつれて差はさらに縮まり、残り3分では1秒7差まで迫る。

残り2分、伊東は4コーナーで#95へ接近。アウト側からオーバーテイクを仕掛けた際、#95がラインを変更したことで両車が接触する場面もあったが、伊東はマシンをコントロールして走行を継続。そのまま#95をかわし、ついに首位へ浮上した。

最後は後続との差を保ったままチェッカーフラッグを受け、#13 ENDLESS GRYARISが優勝。前戦富士24時間レースに続く連勝となり、僅差のシリーズランキング争いでも大きな一勝となった。

また、前日の#3 ENDLESS GR86の優勝と合わせ、チームとしてダブル優勝を達成。同一大会における2台での優勝は2016年の第6戦オートポリスでの#3 ENDLESS・ADVAN・GT-R(ST-X)、#13 ENDLESS・ADVAN・86(ST-4)以来となった10年ぶりの快挙となった。

なおレース終盤#95と接触したアクシデントに対して一時#13 ENDLESS GRYARISへ黒白旗が提示されたが、レース後の検証の結果取り消しとなっている。

Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバー・監督コメント
●Aドライバー 花里 祐弥

SUGO大会は前戦の好調のままにセットアップは大幅に変えずに持ち込むことにしました。変更点は富士24時間の際に向け開発をしていた新材質ブレーキパッドの採用です。

こちらは富士24時間では実戦投入を見送った物でしたので、SUGOの4時間レースで使用してデータ取りを行うことがマストでした。比較的富士に近い温度域のサーキットになりますので、同じ様に良いフィーリングを得ることができました。軽踏力のコントロール性の良さ、中大踏力時にはとてつもない摩擦係数でストッピングパワーがあります。しかし、通常のパッドはそこで若干のビルドアップ(温度上昇に伴い効きが上がってきてしまうこと)を伴いますが、そこでの潤滑のバランスがとても良く、強い武器になりました!

サスペンションは忙しい中、2パターンの仕様を用意して貰いましたが、初日の雨天や、走行のキャンセルなど様々な理由からテストを行えませんでした。ですが、走り出しから富士24時間と同じダンパーがとてもよく、このままいこうかと思える仕上がりで、セットも変えずに決勝を迎えることができました。

インターバルが短い中完璧なメンテナンスで持ち込んでくれたガレージのクルーや、変則的天候の中、最善の作戦を考えてくれたエンジニアと監督、現場で共に戦った仲間たち、そしてバトンを繋いだドライバー、そんなみんなのおかげで2連勝することができました。

こんな素晴らしいチームで開発を行えることを誇りに思いながらもっと素晴らしい商品を仕上げて行きます。改めまして誠にありがとうございました。
●Bドライバー 石坂 瑞基

富士24時間レースで優勝したことでウェイトハンデが65kgと重たい中でのレースでした。重たいクルマでも戦えるようチームがクルマをアップデートしてきてくれました。ブレーキパッドは前回の富士で予選まで使った新しいものを投入。非常に効きとコントロール性のバランスが良いものでしたので、今回決勝にも投入することで耐久性を確認しました。結果として最後まで保つことが確認できました。様々な温度レンジに対応出来るよう更に改良していきたいです。

練習走行がほとんど雨でドライでのセットアップが出来ませんでしたが、今年の鈴鹿からベースセットが非常に良いのであまり心配していませんでした。

予選はウェットから路面が乾いてドライアップしていく中、ドライタイヤで走るという難しいコンディションでしたがQ1突破することができました。

決勝はスタートドライバーを務めさせて頂きました。終始混戦の中で思うようにペースが上がらなかったのは申し訳ないです。途中クルマにトラブルが発生しましたが、大事には至らず走り続けることが出来たのは良かったです。そんな中最後、伊東選手がトップを奪取して帰ってきてくれて本当にカッコよく、感謝しています。

富士から2連勝、そして同大会で3号車とダブル優勝出来たのは本当に嬉しいです。ここから次戦岡山まで長いインターバルがありますが、更にレベルアップ出来るようチーム皆んなと取り組んでいきたいと思います。応援ありがとうございました。

●Cドライバー 伊東 黎明

今回もまた、短いインターバルの中でアップデートを施して頂き、期待を持って臨みました。雨脚の強い1日から始まったSUGO。初日は必要最低限の走行に控え、2日目にウェット・ドライ両路面でのテストを行いました。

マシンバランスは今年築いてきたものがここでもしっかりと活きており、タイムも上がっていることが確認できました。

決勝では2スティント目からトラブルが起き、一時は最悪リタイアも考えられる状況になりましたが、クルマが最後まで保ってくれたこと、そして全員が諦めることなく戦い続けたことで最高な形で優勝を収めることができました。

今回は変化するタイヤ状況の中でもコントロールしやすいブレーキが最高でした。特にダンパーは激しい縁石の使い方をしても、走破性と収まりの良さが非常によく、他車と比べてアクセルの全開率が多く非常にアドバンテージを得ることができました。

今大会の目標であったランキング2位、3位の前でゴールすると言うことを達成でき、ポイント差を広げて次戦に挑むことができます。

次戦岡山は速さの面で負けてしまっている年が続いていますが、今年が今までとは違う事は全員が感じている事だと思います。最終戦に続く大事なレースとなりますので、富士24時間、SUGOのような良い結果を残せるようまた頑張ります。応援ありがとうございました!

●Dドライバー 岡田 整

前大会からの時間がない中で、車両の準備・アップデートを施して頂き今回大会を迎えましたが、週末の天候が不安定で、日曜の予選・決勝日でも霧の為予選がキャンセルとなるなどいつも以上に色んなデータが少ない状態での決勝を迎える事になりました。

チーム全体の強さを武器に、決勝を迎えて4時間レース3ピット義務という変則的なルールの中でも、ドライバー&メカニック全員がミスなく全力で繋ぎ、最後の13分間で伊東選手が優勝まで連れて行ってくれました。

どんなタイヤ状況での走行でも、ピットでも速い、そんな今の13号車がウェイトハンデを跳ね飛ばして、優勝出来た最高の時間になりました。いつも応援して頂いているファンの皆様や旗振り隊の皆様が喜んでくれて、僕も嬉しかったです。

またみんなで最高の時間を共有出来るように、次戦岡山大会応援よろしくお願い致します。

●監督 斎藤 亮佑

グループ毎の2レースではありますがS耐第4戦SUGO、3号車、13号車共にクラス1位チェッカーを受けダブル優勝となりました。我々13号車は24時間から2連勝、最高です。実は2016年のオートポリス戦でもダブル優勝だったようでエンドレスとしては2回目のようです。

前日に3号車が優勝し「明日の13号車もね!」と言う声が多数あがっておりました。声援としてたいへん嬉しい反面、シビック、ランサーに対してコーナーで勝負するしかないのにハンデウェイト65kg(ST-2クラスの最大搭載重量は70kg)のクルマで挑む我々にはプレッシャーです。

木曜、金曜と完全ドライ路面での走行が少なめだったため、予定していたテストメニューを削りながらの走行になってしまいましたが、ロングランは良さそうな雰囲気はありました。

予選に関してはウェット路面をスリックタイヤで走るようなコンディションとなり、石坂選手の頑張りによってQ1上位通過。Q2ではマイナートラブルにより走行時間を少し削ってしまい、3番手が望めた部分もありますが4番手でのスタートとなりました。路面が回復傾向の中での走行時間減ということで花里選手には申し訳なかったです。

昨年のSUGOでは義務ピット2回、今回は義務ピット3回ということでピットタイミングのウィンドウは広く、ピット戦略、タイヤ運用共に各車様々だったように思います。その中チームで決めたプランは今回良かったように感じています。

決勝中、花里選手のスティントでパワステにトラブルが発生してしまい、アシスト切れが多発する状態のクルマでペースダウンを最小限に走り切ってくれました。Aドライバー義務乗車時間の消化もあり60分の走行で腕がパンパンでしたが、筋トレしていた甲斐があったとのことです。石坂選手、岡田選手もそれぞれパフォーマンスを発揮してくれましたが、今回伊東選手が大活躍でした。S耐TVでもフューチャーされており、レース終盤ピット内は過去最高に盛り上がっていました。シンプルにめちゃくちゃ楽しかったです。

天候が不安定な中現地で応援してくれていた方々には、印象に残るレースをお見せできたかなと感じています。皆様天候の悪い中ご声援いただき本当にありがとうございました。

次戦オートポリスはお休みラウンドなので岡山ラウンドに向けてトラブル対策と準備を進めていきます。引き続きよろしくお願い致します。