レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2026 Empowered by BRIDGESTONE 3号車
第1戦 もてぎスーパー耐久
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マシン #3 ENDLESS GR86 参戦クラス ST-4クラス
Aドライバー/坂 裕之
Bドライバー/菅波 冬悟
Cドライバー/小林 利徠斗
Dドライバー/島谷 篤史
監督 / 中村 稔弘

<#3 ENDLESS GR86>


2025シーズン、終盤2戦を連勝で終えランキング2位を獲得した#3 ENDLESS GR86。昨シーズンをもって長年ENDLESSのドライバーとして活躍した小河諒が卒業。新たにSUPER GT GT500クラスやSUPER FORMULAへのデビューが決まっている新進気鋭の若手ドライバー、小林利徠斗が加入。継続となった菅波も昨シーズンはSUPER GT GT300クラスでチャンピオン獲得と勢いづくドライバーの一人だ。2026シーズンの3号車は、ENDLESSのドライバーとして4年目となるジェントルマンドライバーの坂、昨年からS耐へ復帰した社員開発ドライバーの島谷を加えた4人体制での参戦となる。

シーズンオフのチームは合同テストに加えてプライベートテストも敢行。ブレーキには剛性バランスを見直したキャリパー、新素材のパッドなどを投入。今シーズンも製品の市販化に向けたテストと、市販品の性能確認テストを行なっていく。サスペンションは新たにスプリングレートを下げて行くセッティングを施し、テストから好感触を得ている。

昨年のもてぎではダブルヘッダーとなった2レースでいずれも#884 シェイドレーシング GR86と#41 エナジーハイドロゲン EXEDY GR86 Winmax(2026シーズン:HC GALLERY EXEDY GR86 WINMAX)の後塵を拝し3位でフィニッシュ。シーズン終盤に2勝するもこの2戦のポイント差が詰まりきらず、最終的にチャンピオンを逃す結果となった。昨シーズンの雪辱を果たすべく、このもてぎで優勝を飾り2年ぶりのチャンピオン獲得を目指す。

予選
A 坂 裕之 2’08.856 クラス2番手

B 菅波 冬悟 2’07.750 クラス4番手

C 小林 利徠斗 2’10.815 クラス6番手

D 島谷 篤史 2’11.085 クラス6番手

→予選結果:3位/10台中


予選は3月21日(土)8時00分から開始。早朝は最低気温0℃と冷え込んだもてぎ。前日は1日通して雨が降ってしまいドライ路面でのテストはできず。木曜日に積み重ねたセッティングで予選に挑むことになった。

足回りはこれまでに比べスプリングレートを下げたセッティングとし、車体のロールを活かすことで旋回力、トラクションを引き出すことを狙った。このサスペンションセッティングもあり、坂はミス無く走り2分8秒856でクラス2番手タイムを記録。菅波も2分7秒750でクラス4番手をマークし、A+Bドライバーの結果により予選3番手を獲得した。

Cドライバー小林とDドライバー島谷は決勝を見据えた走りでペースなどを確認。ST-4クラスはこのまま午後に決勝が行われることもあり、普段以上にコース状況や連続走行時のチェックを行った。

決勝
決勝結果:2位

予選終了から3時間余り、土曜日午後に行われるRace1のスタート進行が始まった。#3 ENDLESS GR86が走るST-4クラスはこのRace1での走行。決勝に向けたマシンのチェックや戦略の確認、ピットウォークの対応など、予選が終了した後のチームはドライバー、メカニック、エンジニアと揃って忙しいレース前になった。

ドライバー戦略としては、菅波がスタートドライバーを任せ、そこから坂、小林と繋いでいく戦略だ。また今シーズンもST-4クラスは20Lごとのクイックチャージャーによる給油が行われる。1本給油時はすぐにピットアウトできるが、2本以上給油する場合はピットインからアウトまで1分40秒のピット滞在時間が定められている。そのため3本給油と1本給油を上手く組み合わせピット滞在時間を出来るだけ削りたい。展開によっては燃費走行を行うなど、スピードを求めながら燃費をコントロールすることが優勝のためには必要だ。

午後13時49分、決勝レースがスタート。3位からスタートした菅波は1周目に#884抜いて2位に浮上。そこからトップの#41の冨林選手とテール・トゥ・ノーズのバトルを展開。6周目、ついに#41を抜いてトップに浮上。そのままのペースで周回を重ねて行く。

16周目、停止車両の発生でFCYが導入、ピットインのタイミングを伺うがタイミングが合わずコース上にステイとなる。

FCYが解除されレースが再開。20周目、菅波はここまでのベストである2分8秒432をマーク。すると直後の21周目に停止車両が発生。FCYの導入を予想してこのタイミングでピットインを行った。予定通りドライバーは菅波から坂に交代。タイヤ交換はなく1本給油のクイックピットでコースに復帰。ピットイン中にFCYが導入されたため少なからずFCYの恩恵を受けられた。

コース復帰のタイミングで、上位はまだピットインしていないチームがいる状態。その後レース開始から1時間15分経過した時点で2位までランクアップ。40周目にトップの#66 odula TONE MOTUL ROADSTER RFのピットインに伴いトップへ返り咲いた。

しかし46周目、#884に抜かれて2位に交代してしまう。坂は上々のペースをキープしていたが#884の若手ドライバー清水選手にパスされる。

49周目にピットイン。#884も同時にピットに入った。坂から小林に交代。タイヤ4本と給油3本のフルサービスを行なってコースに復帰。#884の背後の暫定5位でコースに戻った。すると停止車両発生でFCY導入。すぐに解除になるが53周目に90度コーナーでトラブル車両が停止して液体漏れが発生し再びFCYが導入される。開幕戦の小林にとっては混乱の多いスティント序盤となった。

58周目にも再度停止車両が発生してFCYが導入されるが、こちらもすぐに解除となった。小林は懸命に走るもわずかに#884が逃げていき、約5秒~6秒ほどの差が付いてしまう。

85周目、最後のピットイン。タイヤは無交換。最終スティントはエースドライバーの菅波に託す。

しかしトップを目指して走行していた96周目、「クラッチペダルが戻ってこない」と菅波から無線。緊急ピットインして様子を見るができる作業はなく、再度コースイン。残り15分、何とかクラッチを労って走り切りたい。菅波は2分10秒台をキープしてゴールを目指す。

菅波は3位#37 DXLパワーミネラルEVO☆NOPRO☆NCロードスターに後方まで追い上げられるも2位でチェッカー。トラブルを抱えるもレース中に築いたマージンにより開幕戦で2位という上々の結果を得ることが出来た。しかし、昨年のチャンピオンである#884は今年も速さがあり、序盤熾烈な争いを繰り広げた#41とともに強力なライバルとして立ちはだかる。鈴鹿そして富士24時間に向け、マシン、チーム、ドライバーの総合力を高めていく。

【FCY導入】
1回目:14:25'04(19Laps)-14:28'04(19 Laps)
2回目:14:39'25(25 Laps)-14:40'56(26 Laps)
3回目:15:33'12(53 Laps)-15:35.40(54 Laps)
4回目:15:45'02(59 Laps)-15:45'51(59 Laps)
5回目:15:51'07(62 Laps)-15:56.25(63 Laps)
6回目:16:06.31(68 Laps)-16:08'14(68 Laps)




Super 耐久の詳細については、チームの公式ウェブサイトをご覧ください。

https://supertaikyu.com/
ドライバー・監督コメント
●Aドライバー 坂 裕之

はじめに今年もチームの一員として加えて頂き、花里社長をはじめチームのみなさん、エンドレスファンの皆様に心より感謝申し上げます。

去年の後半、ブレーキ、サスペンション共に開発が進み、マシンのキャラクターにも変化がありました。特に決勝中のタイムが良く、終盤2連勝する事ができたのですが、今年の開幕前の公式テストではさらにライバルチームの方に勢いがあり追いつくのが厳しいかなという状況でした。

現状、次の市販モデルとして開発中のブレーキシステムを使用しているのですが、そのキャリパー設計者でありDドライバーの島谷選手がさらに設計の手を加えてくれました。それをエンドレスの工場のみなさんが急いで作ってくれてテストが行えたことで、結果キャリパー、ローター、パッドの組み合わせが進化しました。なにより、テスト走行から1週間足らずでブレーキキャリパーを作り直して実戦へ投入できるなんて事は、国内では間違いなくエンドレスだけだと思います。

さらには自社開発のサスペンションの進化も相まって、結果は2位と一歩及ばずでしたが、公式テストでのタイム差から考えると、ライバルチームをかなり追い込む事が出来たと思います。

個人的にはドライバーチェンジの時に私がもたついたせいで、せっかく菅波選手が抜かれずに戻ってきてくれたのに先を越されてしまったのが残念です。しかし、何とかコース上で抜き返す事ができて、その後も安定したラップタイムで走れたと思います。

去年の鈴鹿では自分の不注意でペナルティを受けてしまったので、今年の鈴鹿ではミスなく集中して挑みます。ご声援ありがとうございました。

●Bドライバー 菅波 冬悟

今年からチーム体制が変わり、メンバーも入れ替えてのレースでしたが想像以上に良い内容のレースとなりました。まず、オフシーズンの間にチームがマシンを速くするために努力してくれました。その甲斐もあり昨年よりもトラック上でのパフォーマンスが高く感じました。

また、マシンやブレーキの特性も乗りこなせる人のみが速いようなものではなく、万人が速く走れる方向性に仕上がったと思います。戦略やピット作業では取りこぼしが多く決して完璧ではありませんでしたが、次戦から改善できるように頑張ります。

チームが開発のスピードをかなり上げてくださっていますので、早く結果に結びつけられるように引き続き頑張ります。

●Cドライバー 小林 利徠斗

今年からこのクルマに乗ることになり、テストからセッティングを詰めていった結果、決勝では良いバランスで走ることができました。しかし、決勝ではブレーキのABS制御が上手く合わず、アンダーステアになったりオーバーステアになったりしました。その挙動がなければ安定して8秒台でラップできたと思いますが、8~9秒台とややラップが安定しなかったとことが残念です。テスト時のセッティングで詰めていたブレーキのリリースコントロールなどはかなり良くなってきていただけに、次回への課題にしたいです。

決勝で初めて#884と一緒に走る場面があり、立ち上がりのトルクの差を感じる場面もあったので、そのあたりも改善していきたいと思います。コーナリングは負けてないですし、すごくトラクションもあって良いところもたくさんありました。

●Dドライバー 島谷 篤史

今シーズンも開発ドライバーとしてDドライバーを務める事になりました社員ドライバーの島谷です。昨年はリアに新しいRacingMONO2キャリパーを採用し、毎戦アップデートを繰返して開発した結果、終盤のパフォーマンスに繋げる事が出来ました。

今年はフロントに新型RacingMONO4キャリパーを採用しましたが、公式テストではプロドライバー達からたくさんダメ出しを頂きました。そこから開幕戦までの3週間で設計変更とテストを繰り返し、ようやく一定レベルのパフォーマンスまで引き上げる事が出来ました。しかし、まだまだ理想のバランスには達していませんので、昨年同様に開発を続けて最高のブレーキシステムに仕上げて行きたいと思います。

レースの方は新路面とタイヤの使い方が鍵となりましたが、チーム、ドライバーがミス無く仕事をしてトップ争いを展開してくれました。終盤にクラッチ関係のトラブルが出てしまいましたが、後続とのリードが大きかったので2位でゴールする事ができ、シリーズを考えてもまずまずの結果となりました。今シーズンもチャンピオン目指してチーム一丸となって頑張りますので、#3 ENDLESS GR86と#13 ENDLESS GRYARISの応援をよろしくお願いいたします。

●監督 中村 稔弘

2026年エンドレスGR86は、フロントキャリパーに新しいRacingMONO4キャリパーを装着し実戦テストを行います。他の部分での大きな変更点は、ドライバーの変更です。

エンドレスドライバーとしてずっと一緒に戦ってきた小河選手に変わり、今年GT500やSFに乗る小林利徠斗選手が乗ることになりました。今、勢いのある若手ドライバーを起用し、今年こそシリーズチャンピオンを奪回しようと思っています。またSFで活躍する笠井エンジニアも仲間に加わり、セットアップやストラテジーの強化につなげます。

開幕戦は金曜日が1日雨になり試したいセットはできなかったですが、予選、決勝に向けていいバランスのセットは確認できていたので不安はなかったです。

Aドライバーの坂選手は予選が2番手。昨年は最下位だったので今年はかなり乗れていると感じました。Bドライバー菅波選手もラップをうまくまとめられず4番手ではあったものの、クルマに対して大きな不満は無く、決勝に向けての作戦をミーティングできました。

決勝は菅波からスタートしレースを先頭で作っていく作戦が成功し、レース半分まではトップを走っていけました。しかし同じストラテジーだった#884の速さにだんだんと離されてしまい、最後は残り20分でこちらの車にトラブルが発生してしまったことで順位をキープすることに専念し、2位でチェッカーを受けました。

新作のフロントキャリパーは大きなトラブルがありませんでしたので引き続き実戦テストして行く予定です。鈴鹿でも応援よろしくお願いします。